最初に必要な道具は5つ

1.ドリッパー
ドリッパーは、コーヒーの粉を入れたフィルターを支え、お湯を下へ通すための道具です。
陶器、プラスチック、金属、ガラスなど、さまざまな素材があります。
形も、
- 円すい形
- 台形
- 底に穴が1つあるもの
- 複数の穴があるもの
など、いろいろあります。
初めて選ぶときは、細かな違いをすべて理解しなくても大丈夫です。
店主のおすすめは、3〜4杯用のドリッパーです。一杯だけ淹れる日にも使え、急に人数が増えたときにも対応しやすいからです。
正直、ドリッパーの価格とコーヒーのおいしさは、まったく関係ありません。価格の違いは、主に素材や形状、ブランド、作り方の違いです。高価だからおいしく淹れられる、ということではありません。
むしろ最初は、壊れにくく、扱いやすく、洗いやすいものがおすすめです。
プラスチック製のドリッパーは比較的手頃で軽く、温度が奪われにくいため、初心者にも使いやすい選択肢です。
見た目の好みも大切なので、
「これでコーヒーを淹れてみたい」
と思えるものを選んでもいいと思います。
2.ペーパーフィルター
ペーパーフィルターは、コーヒーの粉を受け止めながら、抽出した液体だけを下へ通す紙です。
ここで一番大切なのは、ドリッパーの形とサイズに合うものを選ぶことです。
円すい形のドリッパーには円すい形のフィルター。
台形のドリッパーには台形のフィルターを使います。
見た目が似ていても、形や大きさが合わないと、フィルターが浮いたり、きれいに収まらなかったりします。
初めて購入するときは、ドリッパーの箱や説明に書かれている対応フィルターを確認するのが確実です。
ドリッパーとフィルターを同じメーカーやシリーズでそろえると、迷いにくくなります。
白いペーパーフィルターがおすすめ
店主のおすすめは、白いペーパーフィルターです。
茶色いフィルターは漂白されていないため、僕は紙のようなにおいが少し気になることがあります。白いフィルターの方がペーパー臭を感じにくく、コーヒーの風味を素直に楽しみやすいと感じています。
色だけでなく、使うドリッパーに合った形とサイズを選ぶことも忘れずに確認してください。
3.コーヒーの粉
ハンドドリップには、もちろんコーヒーが必要です。
ただし、最初から豆のまま買う必要はありません。
ミルを持っていない場合は、お店で、
「ハンドドリップ用に挽いてください」
とお願いすれば大丈夫です。
粉の細かさは味やお湯の通り方に影響しますが、最初はお店に任せて問題ありません。
一般的には、ハンドドリップには中くらいの挽き目が使われます。
それよりも最初は、自分が飲みやすそうなコーヒーを選ぶことの方が大切です。
酸味が苦手なら、そのことをお店で伝えてみてください。
「苦すぎないものがいい」
「ミルクを入れて飲みたい」
「香りが良くて飲みやすいものがいい」
という伝え方でも十分です。
産地や品種の名前を覚えていなくても、好みを伝えれば、お店の人が一緒に選んでくれます。
最初に買う量の目安
初めての豆をいきなりたくさん購入すると、好みに合わなかったときに飲み切るのが大変です。
最初は100グラム程度から試すと、自分に合う味を探しやすくなります。
一杯に使うコーヒーを約10〜15グラムとすると、100グラムでおよそ7〜10杯ほど楽しめます。
使う量によって杯数は変わりますが、最初に試す量としてはちょうどよいと思います。
4.お湯を注ぐもの
ハンドドリップの写真では、注ぎ口の細い専用ケトルをよく見かけます。
細口ケトルは、お湯を注ぐ量や位置を調整しやすく、とても便利な道具です。
ただし、最初から必須ではありません。
家にあるケトルや電気ポットでも始められます。
勢いよくお湯が出てしまう場合は、一度別の容器へ移してから注ぐ方法もあります。
小さな急須や、注ぎ口のある計量カップを使う人もいます。
大切なのは、専用道具を持っていることではなく、コーヒーの粉へ無理なくお湯を注げることです。
実際に何度か淹れてみて、
「もう少しゆっくり注ぎたい」
「お湯の量を調整しやすくしたい」
と思ったときが、細口ケトルを検討するタイミングです。
沸かしたてのお湯は少し落ち着かせる
沸騰したての熱いお湯をそのまま注ぐと、コーヒーの成分が出すぎて、エグみや渋みを感じやすくなります。
お湯を沸かしたら少し置き、落ち着かせてから注いでみてください。
最初から温度計を使って、1℃単位で細かく管理する必要はありません。まずは沸かしたてを避けるところから始めれば大丈夫です。
5.マグカップ
一杯だけ淹れるなら、ドリッパーをマグカップへ直接のせて抽出できます。
そのため、最初からコーヒーサーバーを用意しなくても大丈夫です。
ただし、ドリッパーをのせたときに安定するカップを選びましょう。
口が極端に小さいものや、形が特殊なものは、ドリッパーが安定しない場合があります。
普段使っているマグカップにドリッパーがきちんとのるなら、そのまま使えます。
自分の好きなカップを使うと、コーヒーの時間が少し楽しくなります。
道具としての性能だけでなく、
「このカップで飲みたい」
という気持ちも、意外と大切です。
あると便利。でも、あとからでよい道具

コーヒーミル
ミルは、コーヒー豆を粉にする道具です。
豆は、粉にすると空気に触れる面積が一気に増えるため、香りが抜けやすくなります。
そのため、淹れる直前に豆を挽くと、挽きたての香りを楽しめます。
これは、ミルを使う大きな魅力です。
ただし、最初から購入しなければならないわけではありません。
まずはお店で挽いてもらった粉を使い、
「ハンドドリップを続けたい」
「もっと香りを楽しみたい」
と思ったときに購入すれば十分です。
ミルには手動と電動があります。
手動は、豆を挽く時間や香りも楽しめますが、何杯分も挽くと少し大変です。
電動は手軽ですが、製品によって価格や挽き目の均一さが異なります。
購入するときは、価格だけでなく、
- 一度に何杯淹れるか
- 毎日使うか
- 手で挽く時間を楽しみたいか
- 置き場所があるか
で考えると選びやすくなります。
初心者向け|道具選びでよくある失敗

ドリッパーとフィルターの形が合っていない
ドリッパーが円すい形なのに、台形のフィルターを購入してしまうケースです。
形が違うフィルターは、きれいに収まらず代用できません。その場合は、ドリッパーに合う形とサイズのフィルターを新しく買いましょう。
間違えて購入したフィルターは、無理に使わず置いておいても大丈夫です。いつかその形のドリッパーを試したくなったときに使えます。
最初から道具をそろえすぎる
道具選びだけで疲れてしまい、肝心のコーヒーを淹れないままになることがあります。
まずは基本の5つで一度淹れてみましょう。
見た目だけで選び、使いにくくなる
デザインは大切ですが、毎日使うなら、
- 洗いやすい
- 置きやすい
- 割れにくい
- フィルターを購入しやすい
ことも確認しておくと安心です。
粉の細かさを伝えずに購入する
コーヒーを粉で購入するときは、
「ハンドドリップで使います」
とお店へ伝えましょう。
淹れ方に合った細かさに挽いてもらえます。
予算はどれくらい必要?
家にあるケトルやマグカップを使い、コーヒーを粉で購入するなら、最初に必要なのは主にドリッパーとペーパーフィルターです。
選ぶ製品によって金額は異なりますが、必ずしも高額な道具をそろえる必要はありません。
最初から正確な予算を決めすぎるより、
- 一杯だけ淹れるのか
- 家族の分も淹れるのか
- 家にあるものを何に使えるか
- 長く続けたいと思っているか
を考えると、無駄な買い物を減らせます。
店頭で迷ったときは、
「初めてハンドドリップをするので、最低限必要なものを教えてください」
と相談してみましょう。
無理に高価なものを選ぶ必要はありません。
よくある質問
ハンドドリップを始めるには、最低限何が必要ですか?
ドリッパー、対応するペーパーフィルター、コーヒーの粉、お湯を注ぐもの、マグカップがあれば始められます。
ミルやスケール、専用ケトルは、あとから買い足しても大丈夫です。
コーヒーミルは最初から必要ですか?
必要ありません。
コーヒー豆を購入するお店で「ハンドドリップ用に挽いてください」とお願いすれば、粉の状態で購入できます。
普通のケトルでもハンドドリップできますか?
はい。最初は家にあるケトルやポットでも始められます。
細口ケトルはお湯の量を調整しやすいですが、必須ではありません。
コーヒーサーバーがなくても大丈夫ですか?
一杯だけ淹れる場合は、ドリッパーをマグカップへ直接のせて抽出できます。
複数杯をまとめて淹れたくなったときに、サーバーを検討すれば大丈夫です。
初心者にはどんなドリッパーがおすすめですか?
店主のおすすめは、3〜4杯用のドリッパーです。
一杯だけ淹れる日にも使え、急に人数が増えたときにも対応しやすくなります。価格よりも、扱いやすさや気に入った素材・形状で選んでみてください。
スケールを使わないと、おいしく淹れられませんか?
スケールがなくても淹れられます。
ただし、粉とお湯の量を測ると、同じ味を再現しやすくなるため、慣れてきたら取り入れると便利です。
まとめ|基本の5つがあれば始められる
ハンドドリップを始めるために、最初からたくさんの道具をそろえる必要はありません。
まず必要なのは、
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーの粉
- お湯を注ぐもの
- マグカップ
の5つです。
ミル、スケール、細口ケトル、サーバー、温度計などは、あると便利ですが、あとからでも大丈夫です。
まずは家にあるものも使いながら、一杯淹れてみる。
そして、続けるうちに欲しくなった道具を一つずつ増やしていく。
それが、無理なくハンドドリップを楽しむ一番やさしい始め方だと思います。
道具がそろったら、次はいよいよ実際にコーヒーを淹れてみましょう。

