注ぐ回数で味は変わる
使う豆とお湯の量が同じでも、お湯を何回に分けて注ぐかで、できあがる味の印象は変わります。
分けて注ぐと、そのたびに粉へお湯が触れ、コーヒーの中でお湯が動きます。回数だけで味が決まるわけではありませんが、抽出を調整する一つの要素です。
まずは回数を決め、豆の量、湯量、湯温、挽き目をそろえる。そうすると、注ぐ回数による違いを比べやすくなります。
1回・2回・3回注ぎを飲み比べる

僕は、お湯を注ぐ回数を変えて飲み比べたことがあります。
- 1回注ぎ:少し物足りない印象
- 2回注ぎ:あっさりした印象
- 3回注ぎ:コクが出る印象
その中で、僕の好みに一番合ったのが3回注ぎでした。味に厚みがありながら、豆の風味も感じやすかったからです。
これは、かおゆたの豆とレシピで試したときの僕の感覚です。3回が唯一の正解ということではありません。軽い味が好きなら、2回注ぎをおいしいと感じる人もいると思います。
各投目のコーヒーを別々に飲んでみる

3回の注ぎで、どのように味が重なっていくのか。それを知りたくて、1投目だけ、2投目だけ、3投目だけのコーヒーを分けて飲んだことがあります。
- 1投目:まだ本来の成分が全部出ていないような風味
- 2投目:濃く、しっかりした風味
- 3投目:かなり薄い風味
特に印象に残ったのは、2投目の濃さと、3投目の薄さでした。一杯として混ざっていると分かりにくいのですが、別々に飲むと、それぞれの違いがはっきりします。
細かな理屈までは分かりません。ただ、3回分を合わせて飲むと、途中の濡れ始めた味も、しっかり出た味も、最後の淡い味も一つになります。僕には、それがコーヒーの持っているものを最後まで出し切るように感じられました。
3回注ぎにしている理由
3投目だけを飲むと、味はかなり薄く感じます。それなら、最後の注ぎは必要ないようにも思えます。
それでも3回に分けているのは、2投目の濃くしっかりした風味だけで終わらせず、最後まで抽出したものを一杯に合わせたいからです。
僕の中では、2投目が味の中心をつくり、3投目が一杯全体を整えるようなイメージです。3回を合わせたときに、物足りなさがなく、コクのある味になります。
40ml・60ml・60mlで注ぐ
かおゆたの基本レシピは、豆10g・お湯160ml・湯温89℃です。お湯は次のように3回に分けます。
- 1投目:40mlを注ぎ、1分蒸らす
- 2投目:60mlを注ぎ、約1分待つ
- 3投目:60mlを注ぎ、最後まで落とす
時計の数字に合わせることより、毎回おおよそ同じ条件で淹れることを大切にしています。基準があれば、味が違ったときに戻る場所が分かります。
蒸らしについては「コーヒーの蒸らしは必要?」、豆とお湯の量については「コーヒー豆とお湯の量はどう決める?」で紹介しています。
中心から外側へ注ぐ

お湯の細さや高さについては、僕はそこまで細かく決めていません。ただ、最初に注ぐ場所は意識しています。
まず粉の真ん中へ注ぎ、そこから少しずつ外側へ広げます。いきなり外側から注ぐと、粉が中心へ集まり、落ちるのが遅くなることがあるからです。落ちにくくなると、僕の淹れ方では味が出すぎる方向へ進みやすくなります。
きれいな円を描こうと、難しく考えなくて大丈夫です。中心から始めて、粉全体へお湯を広げる。そのくらいの意識で十分です。
店主のひとこと
まとめ|まずは3回注ぎから
注ぐ回数は、ハンドドリップの味を調整する一つの要素です。
- かおゆたでは、お湯160mlを40ml・60ml・60mlに分ける
- 僕の飲み比べでは、1回は物足りなく、2回はあっさり、3回はコクを感じた
- 2投目は濃くしっかり、3投目はかなり薄く感じた
- すべてを合わせることで、豆の持っている風味を最後まで引き出すように感じる
- お湯は粉の中心から外側へ広げる
まずは3回に分けて、一杯淹れてみてください。その味を基準にすれば、もっと軽くしたいのか、コクを出したいのかも考えやすくなります。

